「むしむし☆パニック!」  第3話
 目が覚める。虫が這いずり回る感覚。パニック。

 何も考えられない。だた頭を、肩を動かす。叫ぶ。いたい!痛い!
 ただ、必死で体を揺すりました。すると踏み固められた左腕の周りの土がぐらぐらとし始めました。ただ、すがるように残った力のすべてを左腕にかける。

   ずぼ

 大きな音を立てて左腕が抜けました。石で腕が切れたけど痛くない。
 顔中を這いずるアリを、羽虫を、髪に入り込んだムカデやナメクジ。飛んでいる蜂。

 ともかく、みんな払いのけて、頭をかきむしりました。
 立ち上がろうとして、地面を引っ掻きました。でも手に力が入らない。足が動かない。しびれて足の感覚がない。逃げられない。

「助けて!」

叫ぼうとしても、言葉が出てこない。何の言葉も出てこない。
 私は言葉をなくしてしまいました。何かの獣のように「あー」としか言えなくなりました。だから、なんども「あー」と叫びました。

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