「私…」  第6話
OB1170343205545.jpg  それからしばらく。
 私は私の体を提供している倫理的な建前上、私の研究から外される事もなく、あの私に対するわだかまりを押し殺しつつ、変わらない毎日を送っていた。
 あのときの私は傷が完治するまで実験を停止することになり、毎日の健康チェックの時以外はゲージの隅でじっとしていた。

 傷もほぼ完治したある日、私は私にたどたどしい発音で「ごめんなさい」と言った。
 それはおびえながら言ったせいか、とても小さくてか細くて、いとおしかった。
 だから、私は彼女の頭をそっとなぜてから、私を抱きしめた…

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