「?」  第18話
 寒気は知らないうちに少しずつ眠気に変わり、港は段々と遠くなりました。
「それでも…。それでも私は謝りたいと思ったんです。私にはもう何もありません。でも、私は…。それがわがままだと言われるなら多分…そうだと思います。」
「それで、謝れば許されると?」
「それは…」
「謝れば許してもらえるなんて、楽なものですね」
「ごめんなさい…」
「どうして私に謝るんです?これほど言っても貴方は何一つわからないのですね。」
 運転手の方が舌打ちをされました。また、私は人を怒らせてしまいました。
「…私はこれからどうすれば良いんでしょうか?どう償えばいいのでしょうか…?」
「知りませんよ。そんなこと」
 それから私は何も言えなくなりました。山から聞こえてくる海猫の鳴き声が小さくなっていきました。

 そう言う訳で、このねじを締めると私の左腕は痺れるようになったのです

<了>

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