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「つまり、あなたはそのおじさまのことを好きなのね?」 「そうね。でも、起きてる私には自覚はないと思う」 夢の中で、死神さんと話す。覚えてはいないけど何度も会ってるそうだ。 「幸せ?」 「うん。でも無条件で幸せかと言う違うよ?家族や故郷のみんなのこととかを思うと、苦しい。」 夢の中と起きている時では考える感覚が違う。雑念がないからだと死神さんは言った。 「それでもね。起きている私は、私の前の小さな世界で幸せなこととかを探そうとしているみたい。」 そうやって私は不安や悲しみから逃げようとしている。 「でも、あなたのおじさまは嘘つきよ?」 「知ってる。起きてる私もちゃんと気づいてる…。えっとね、おじさまって嘘をつく時にね。目の中が大きくなるの」 「瞳孔?」 「瞳孔って言うの?多分、それ」 思い出してクスクスと笑う。おじさまはバレてないと思っているのかな。 「起きてる私がおじさまを信じる理由って、そういうところだと思う。嘘だと分かってて、嘘だと分かっているから信じようとしている」 「どうして?」 「どうしてかな?多分、信じる理由を探していたからだと思う」
「ところでこの服は何?あまり見ない服だけど…、というか…」 |