1272723912335.png  壁のシミ。
 この部屋を使った人が私が初めてではないことを知る。
 もうすぐ私はチーズの材料として処分される。
 お腹を綺麗にしてから腹を割くなんて、まるで家畜だ…。
 そう思ったとき、疑心が生まれ落ちた。

 少しにがかったスープとスプーンを手にしたときのおじさまの目。
 おじさまが私を殺そうとした?

 魔法のチーズって高価な物?お金で取引している?
 それを作るために、私に毒を飲ませて病気に見せかけて材料にした?

 私の中にあふれ出すおじさまへの疑心。

 おじさまが私を殺す?あり得ない。
 私は生きているし、おじさまは私の身体でチーズの代金を支払う。
 それは私が利益を受けて、おじさまに背負わせた支払い義務。

   お金のため?
 それこそ不合理すぎる。
 それなら故郷でイワンがお姉ちゃんを誘拐したようにすればいいだけだ。
 うまくすれば身代金も手に入るし、材料も手に入る。
 私に教育を与える意味がない。

 あり得ない事ばかり頭に浮かぶ。
 合理的に考えられない。
 少しだけ長く生きられたから、私は欲張りになって悪い心を育ててしまったんだ。

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