「鮭児の時知らずタン」  第5話
 別の群れが定置網にかかり、その殆どが何処かにいなくなった…。

 誰が言い出す出なく、群れの中にそんな噂が広まり始めました。それ事態は珍しい事ではありませんでしたが、群れの中に暗い影を落としました。

 時知らずタンは時折、罪悪感でココロが一杯になる時があります。それは別に何か悪い事をしたワケでありません。ただ、未だに自分が生きているのに強い罪悪感を感じるのです。そして自分も早く網にかかってしまいたい思うのです。
 だから、時知らずタンはお姉さんが震えながら「寂しいね」といった意味がよく分かりませんでした

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