「鮭児の時知らずタン」  第7話
 お姉さんはいつも何処かで仲間がいなくなったり、食べられたりすると怖くて動けなくなります。次は自分がそうなるんじゃないかとか、まだ小さい頃に好きだった人の事とかを考えてしまうからです。
 いつもお姉さんは、みんなが無事でいて欲しいと思っています。でも、それは身勝手なエゴだということも知っていました。自分達が生きるために沢山殺して食べてきたのに、自分たちだけ助かろうというのは身勝手だとは思います。それでも、お姉さんは誰も死んで欲しくないと思っていました。
 怖くて、悲しくて、苦しくて、そして自分の身勝手さが申し訳なくて…。だから、お姉さんは時知らずタンが段々と皆から離れていくのに気がつきませんでした。

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