「鮭児の時知らずタン」  第24話
 お姉さんは涙をぬぐって座りました。
「ずいぶん泣いたから、ひどい顔してるでしょぉ?恥ずかしいなぁ」
「そんな事…」
 時知らずタンは、何か言いかけて言葉を失いました。代わりに立ち上がって上を見ました。
「あの子、こっち見てる…。こっち来るね…」
 お姉さんは下を向いて何もいいませんでした。
「ねぇ、お姉さん。約束して下さい。もし、どちらかが生きてたら…。せっかく助かったんだから…。その時は、諦めないで生きましょう」
 お姉さんは時知らずタンにしがみついて言いました。
「…うん。だから、一緒にいて…」

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