金利上昇中


 7月14日付けで住宅金融公庫の基準金利が3%に改定されました。また、ここ数ヶ月長期金利が上昇し続けていて、株価も12千円前後に落ち着き、景気もよくなっているといわれます。今後は個人の消費動向が気になるところですが、いずれにしろ、景気の最悪期は脱したものと思われます。民間銀行でのローン金利は政策的に抑えられているようですが、いままで続いてきた低金利時代の終焉が近づいています。金利上昇がマンション市場にどのような影響を与えるのかを考えてみましょう。

<マンション業界>
 昨今の新築マンション契約率は70%と発表され、中古流通も好調だと伝えられています。しかし、マンション在庫は1万戸程度と発表されている一方、実態としては2万戸とか3万戸とかいわれています。また、新築マンションの販売動向−小ロットでの販売、頭金なし、モデルルームでの金券進呈−を考えますと、かなりきびしい状況ではないかというのが私の観方です。とにかく、「低金利」を武器にマンションを売ってきたということでしょう。
 商材としての最大の武器であった、「低金利」がなくなる、この影響は非常に大きなものです。なにしろ、「家賃と同じ負担でマンションが購入できる」といえなくなるのです。長年この材料ひとつでマンションを販売してきた営業マンは、売り込みの材料を失ってしまうのです。マンション不況がいよいよ現実味を帯びてきたといえます。業界の淘汰も進むことでしょう。

<消費者の行動>
最近のマンション購入者は30歳前後です。なにしろ、モデルルームを訪れるお客さんの「若さ」には驚きます。「賃貸から持ち家へ」という行動がブームのように継続してきました。なにしろ、頭金負担なしの購入が可能だった(?)のですから。金利が上昇しますと、ローンの負担がたちまち重くなり、いままでの購入パターンは止まってしまうでしょう。
 さらに心配なのは、ここ数年の低金利下で購入した方々です。当初の金利据え置き期間が経過し、変動金利の見直し期間に入ります。その時期にあわせての金利の上昇です。ローン金額3000万円、35年のローンの場合、1%では8.5万円/月、2%では9.9万円/月、公庫並みの3%では11.5万円/月の返済額となります(概算)。この金利負担が現実になろうとしています。高度成長時代の商品であった住宅ローンは低成長時代には消費者に大きな負担を強いるのです。住宅ローン破産の件数が・・・。あまり考えたくないことですが。


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