住宅ローン金利 市場最低水準に突入

 公庫2%に、民間は1.9%  国土交通省は6月12日、住宅金融公庫の基準金利を現行の2.1%から2.0%に引き下げることを発表した。6月16日から適用される。過去最低金利だった98年10月時と同水準であり、基準金利の2.0%は、閣議決定で公庫の基準金利下限とされている。今回の改定で02年2月の2.7%から10回連続の値下げとなった。  
11年目以降の金利については、3.5%のまま。98年10月時が4%だったため、公庫への返済額は過去最低となる。  
 2000万円を35年返済で借りた場合、返済総額は、98年10月期が3270万円、今回の改定では3143万円と、総額で127万円返済額が少なくなる。  
今回の改定は、公庫の資金調達原資である財投金利が0.8%から0.7%に引き下げられたことを踏まえたもの。03年度第2回の受付は、7月2日から行う。  
一方、民間住宅ローン金利も市場最低水準に突入してきた。東京三菱銀行が、6月16日から長期で固定金利の新しい住宅ローンを販売する。実施期間は12月30日までの約半年間。「ゼロ金利時代実感キャンペーン」とし、住宅金融公庫の金利を下回る。  
期間30年で、当初10年の貸し出し金利は、年1.9%で、団体信用生命保険料を含めた水準。この保険料は同行が負担する。  
 住宅公庫ローンの表面利率年2.0%に団体信用生命保険料(0.3%相当)を上乗せした水準より0.4%低い。11年目以降の金利も年3.4%と住宅公庫の3.5%より低い。当初10年の設定金利が年2%台を割り込むのは業界初。  
 条件としては、同行の「スーパー普通預金」を持ち、給与振り込みを利用し、勤続3年以上で同行所定の保証会社の抵当権を第1順位で設定できることなど。新規はもちろん、借り換えでも利用できる。  
三井住友銀行は、新築限定ローンを販売中で、最長35年、10年固定で団信保険に加入しなければ、年2.2%、加入すれば年2.5%になる。変動金利なら店頭金利より0.5%優遇される。融資限度額は1億円まで。また、6月末までの期間限定として、最長35年で3段階の固定金利型ローンも取り扱っている。金利はいずれも2%台で、20年以上は2.98%だ。  
 みずほ銀行は、変動金利方式、5年または10年の上限金利設定方式、最長20年の固定金利選択方式が生活環境や金利動向の変化に応じて、その都度、自由に選べる。

金利下限見直し示唆  国土交通相  

 扇千景国土交通相は6月13日、住宅金融公庫の基準金利下限を2.0%とすることが98年10月の閣議で決定していることに対し、コメントした。  「銀行金利の安さからすればローン金利の下限が2.0%ということに国民は差異を感じ、もっと下がっていいという感覚を持っていると思う。できれば見直していきたい」と見直しの方向性を示し、「住宅政策全体をよく勘案しながら決定する」と付け加えた。



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