不動産投資術

日ごろの研鑚がカギ
求められるプロの姿勢

 資産家に対し資産設計の一環として、不動産投資を勧めることが増えてきた。資産家への不動産コンサルのメニューは、数えるほどしかない。「売る」か「貸す」か「建てる」か「買う」かのどれかである。その組み合わせによって不良資産を優良資産に組み替えていくのである。このことを「資産リストラ」と呼んでいる。
 バブルが弾けたころは、資産家にさかんに土地の売却を勧めた。「どうしても売りたくない場合は、定期借地権にして保証金をなるべく多く受け取り、現金を手にしなさい。」とアドバイスした。ここ数年は買いである。しかも流動性の高い物件をである。不動産を取り巻く情勢が変化した場合には、すぐに売れるようにしなくてはならないからである。
 賃料は下落傾向にあるが、それ以上に土地・建築費・金利のトリプル安により収益が向上しているので、不動産投資には良い環境だ。しかも、金融機関の後押しによって手元資金が少なくても取得できる。
 このように時代を先読みして、資産家へのアドバイスを行うのであるが、信用してくれなければ、事が始まらない。そのためには、日頃の付き合いが大切となってくる。資産家から「正直、専門的なことは分からない。あなたが言うのだから間違っていないだろう」というような名誉な言葉をいただけるようになったらしめたものである。
 資産家が好きな人は、例えば「自分のことを先回りして、考えてくれる人」「ウソを言わない人・裏切らない人」「自分の立場が分かってくれる人」「専門的知識・経験がある人」「広い人脈を駆使して最適案を出してくれる人」などであろう。
 資産家に好かれるようになるためには、日頃の研鑚が欠かせない。不動産コンサルタントの資格やファイナンシャル・プランナーの資格はもちろんのこと、実践レベルで実績を残していかなくてはならない。
 ここでいう好かれる人とは、「人間的に良い人」というのではなく、「役割・使命を全うできる人」というのに近い。
 接待を中心とした、ウェットな付き合い方も大切であるが、成功者や代替わりした資産家に対しては、何よりもプロとして期待されることが必要だ。


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