中間省略登記問題 実質的解決へ

規制改革推進会議  代替契約を公認

法務省は業界へ周知   年内に閣議決定


 中間省略登記の問題を巡り、法務省と折衝を続けてきた内閣府規制改革・民間開放推進会議は、運用が不明確だった「第三者のためにする契約」など、中間省略登記の代替契約を周知徹底させることで実質的な問題解決を図る方針を固めた。
 「第三者のためにする契約」や「買主の地位の譲渡」が登記申請可能であることを、法務省から司法書士会・不動産業界に文書で周知徹底させるよう、12月25日に出す同会議の答申に盛り込む。既に法務省の事前承認も得た。答申の翌日に、今年度の措置として周知させることを閣議決定する。それに基づく法務省からの文書の発出は、年明け早々になる見通し。不動産業界では5団体が送付対象に指定された模様だ。
 「第三者のためにする契約」の活用は、中間省略登記を受理sる代わりとして、法務省側から内閣府に出された対案。不動産を売買する際に、「買主の指定する者に所有権を直接移転する」という特約を付けて行う。中間者の不動産取得税が不要となり、結果的に従来の中間省略登記以上の節税効果があると見られている。これにより、登記の正確性を保ちながら、取引にかかる費用をより軽減し、住宅・土地市場の活性化を加速させる狙い。
 中間省略登記の代替契約はこれまで、法務省が承認するなかで日本司法書士会連合会から不動産登記法の潜脱行為とみなされていた。司法書士の代替契約の検討は事実上禁止されているとされ、現場の混乱の一因となった。内閣府では司法書士会のヒアリングも実施し、独自の見解があるのかを質したが、結論に影響するような意見は出されなかったという。
 内閣府から法務省に照会したところによると、第三者のためにする契約で、所有権の移転先を有料で指名する契約関係はどのような形態でもよく、登記の申請の場面では関係ないとの回答を得ている。この関係をオリジナルな指名契約とするか、通常の売買契約書をアレンジして使うかは当事者の自由だ。
 答申には今後の課題として、「法務省の実務を変更し、三者の合意がある場合は端的に中間省略登記を認容することが適切」という内容も盛り込む。行政訴訟が提起されていることから法務省側の抵抗が激しく、今回の答申では登記所の実務の変更を実現するまでには至らなかった。同会議では引き続き問題解決に向け取り組む方針だ。


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