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贈与税・相続税Q&A


 相続時精算課税制度の創設によって、贈与税の非課税枠が大幅に拡大した今回の税制改正。そこで、
Q&Aとケーススタディーで、贈与税と相続税のポイントを具体的に紹介しましょう。

Q1.新しい制度と従来の制度は、どちらでも自分で選べるのですか?
A1.従来の制度については年齢制限がなく、新制度も年齢制限の枠内なら自由に選べます。ただし、相続時にすでに贈与した財産(従来の制度は、相続開始までの3年以内に贈与した財産)まで含めて精算されるので、従来の相続財産までを考慮して、選択してください。


Q2.私は19歳ですが、50歳の父から贈与を受けることは可能ですか?
A2.相続税と一体方式ではない従来の制度なら、適用できます。この制度には、年間110万円、住宅資金は550万円までの非課税枠があり、非課税枠内の贈与については、住宅取得資金以外、申告する必要はありません。また、相続時精算課税制度(新制度)が適用される贈与者(親)は、贈与を受ける年の1月1日時点で、65歳以上の親、受贈者(子)は20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む。)とされています。といっても、新制度での住宅取得資金の贈与には、贈与者のほうの年齢制限がありませんので、住宅取得資金として利用したいなら、20歳になる来年に適用を受けるといいでしょう。


Q3.新制度で親から住宅取得資金の贈与を受けたいのですが?
A3.新制度には、住宅取得資金の場合、3500万円までの非課税枠があります。なお、この制度の適用を受けると非課税枠でも申告の必要があり、相続時の税額は、相続財産に贈与財産を合算して計算することになります。この時点で、支払った贈与税が相続税と精算されます。


Q4.現在、80歳の父と55歳の長男、父と養子縁組をしている長男の子(25歳)、すでに死亡した次男の妻(45歳)とその次男の2人の子(22歳と18歳)がいます。そのうち、相続時精算課税の贈与を受けることができるのは誰ですか?(図1参照)
A4.この家族構成の場合、長男と代襲相続人である次男の22歳の子、養子縁組により父の子となった長男の子については、相続時精算課税の贈与を受けることができると思われます。一方、次男の妻は子に該当せず、次男の18歳の子も年齢の要件を満たしていないので、この制度を適用した贈与を受けることはできません。
 なお、今回の改正で、相続税については、養子縁組で孫(代襲相続人を除く)が一親等の親族になった場合、相続税の2割増しの税額を支払うことになりました。


※代襲相続人=相続人が相続の開始以前に死亡し、またはその他の事由により相続権を失ったときに、その者の子が代って相続すること。

Q5.相続時精算課税の手続きは、どうすればいいのですか?
A5.この制度を選択した場合、受贈者である子が、その選択に係わる最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、所轄税務署長に対して、その旨の届け出を添付した贈与税の申告書を提出します。


Q6.父からの贈与は、すでに相続時精算課税制度を選択しましたが、母からは従来の制度を選択したいと思います。どのようにして税額を計算すればいいですか?
A6.それぞれの贈与は区分して、税額を計算します。父からは新制度を選択し、母からは従来の制度で贈与を受けるということですので、その贈与財産の合計額から基礎控除110万円を控除し、今回の改正後の税率で贈与税額を計算することになります。


Q7.贈与税の税額は、どのように計算するのですか?
A7.相続時精算課税制度では、贈与財産の額から非課税枠の2500万円を差し引いた金額に20%を乗じて計算します。つまり、税率は一律20%になりますが、従来の制度でも、改正前は150万円以下で10%だった税率が、改正後は200万円以下に枠が広がるなど、税率の区分が拡大されています(表1参照)。この従来の制度を選択する場合も、贈与財産の額から110万円の非課税枠を引き、その金額に応じた税率を乗じて計算します。例えば、贈与額を300万円とすると、改正前の課税額は21万円でしたが、改正後は非課税枠を引いた金額が190万円になるため、最低税率の10%を乗じて計算することができます。そこで、改正後の課税額は19万円と、2万円の減額になるわけです。

<表1>贈与税の税率構成

贈 与 税
現 行 改正案
150万円以下の金額 10% 200万円以下の金額 10%
200万円以下の金額 15% 300万円以下の金額 15%
250万円以下の金額 20% 400万円以下の金額 20%
350万円以下の金額 25% 600万円以下の金額 30%
450万円以下の金額 30% 1000万円以下の金額 40%
600万円以下の金額 35% 1000万円超の金額 50%
800万円以下の金額 40%
1000万円以下の金額 45%
1500万円以下の金額 50%
2500万円以下の金額 55%
4000万円以下の金額 60%
1億円以下の金額 65%
1億円超の金額 70%


Q8.相続税の課税額は、どのように改正されたのですか?
A8.相続税も、最高税率を引き下げ、税率区分が拡大されています(表2参照)。この改正は、今年の1月1日以後の相続から適用されます。
 例えば、法定相続人が配偶者と子2人の計3人の場合、相続税の対象となる課税額を1億円とすると、改正前の相続税額は105万円でしたが、改正後は100万円と、5万円の減額になります。ただし、この金額は、法定相続人が法定相続分に応じて財産を取得したものとして、「配偶者の税額軽減」を適用した場合の金額です。

<表2>相続税の税率構造

相 続 税
現 行 改 正 案
800万円以下の金額 10% 1000万円以下の金額 10%
1600万円以下の金額 15% 3000万円以下の金額 15%
3000万円以下の金額 20% 5000万円以下の金額 20%
5000万円以下の金額 25% 1億円以下の金額 30%
1億円以下の金額 30% 3億円以下の金額 40%
2億円以下の金額 40% 3億円超の金額 50%
4億円以下の金額 50%
20億円以下の金額 60%
20億円超の金額 70%

※2003年度税制改正案は、3月の通常国会において法案成立の見込みであり、それをさかのぼって本年1月1日から適用されます。