滋賀県の琵琶湖の東側、湖東地方には古くから近江上布として栄えてきた麻織物の産地があります。中でも旧能登川町(現東近江市)は近江縮と呼ばれる夏の座布団地、掛け布団地を中心に生産していました。 時代が移り、生活様式が多様化し消費の形態が変化した現代、絣工房Fabricaでは、産地が得意としてきた素材(麻を中心とした天然繊維)技術(ほぐし、絣といった先染め織物)を生かし、 今感じる色を与え、洗練を加え、伝統をモダンに表現しています。

 近江の麻として発展してきた産地のこと、北川織物工場が独自に取り組んできた絣の技を、見て知って買っていただくためのギャラリー的空間として、 1999年3月、北川織物工場内に絣工房Fabricaを併設しました。

Fabricaの店先


 日本には四季を取り入れ、生活を楽しむ工夫がありました。
夏の衣替えやしつらえに欠かせない麻素材とちぢみの肌触り、四季折々変化する色彩目にしながら育まれた感性から生まれるデザイン。
かつては意識しないまま人に優しく、自然にも優しかった日本の暮らしを再認識し、これら日本人の知恵を、昔の生活に戻るのではなく、その知恵と工夫を感性として取り入れ、現代の生活に生かすことが出来る物づくり、事づくりを続けて行きたいと考えています。そして日本の心、日本の手仕事が次の世代にも繋げて行けるようにと願っています。

Fabrica(ファブリカ)とは工場を意味するスペイン語』

麻の歴史と絣について

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