高島トレイルを歩く V (抜土〜大御影山〜三重嶽)
【実施日】平成20年6月15日(日)              今回歩いたGPSルート
【天  候】曇り
【行  程】抜土----近江坂分岐----大御影山-----大日分岐-----三重嶽
【タ イム】 9:40   10:35        11:30    12:40(昼食)13:20  15:10
【走行距離】 9.7 km
 
 高島トレイルの第3回は、トレイルコースの最深部である大御影山と大日尾根、三重嶽と続くコースだ。かつては河内谷林道が通行できたので、林道から車で本谷橋くらいまで入り、そこを基点に周回すればそれほど難しいコースでもなかったのだが、林道が入れなくなってからはどこから入ってもかなり取り付きまでが長くなりアプローチが難しくなってしまった。

 昨秋開催された「トレイルサミット」のエクスカーションでこのコースを選択し、近江坂の峠までタクシーで入り、大日尾根を大ブナの所までピストンしたのだが、あいにくの雨で紅葉のブナ林を観察するどころではなかったので、今回は新緑のブナ林と大日尾根の分岐から三重嶽頂上までの未踏のコースを歩くのを楽しみにしていた。

 前回は大谷山の裏側「抜土」までだったので、今回はそこに車をデポしてそこから周回する行程を企画した。同行者は山仲間の平井さん、そして前回も参加してくれた京都の女性、そして私たちが企画する地元の山歩き企画にたびたび参加してくれる京都の女性、計4名での山歩きとなった。結果的に今回も壮大な計画となってしまった。

 京都の女性お二人を近江今津駅に8時に迎え、若狭回りでも今回の出発地「抜土」までは車で1.5時間かかるのでどうしても出発は10時前となってしまった。1カ月近く経つと植物の植生もかなり変わっているように思えた。ヤマボウシが咲いている樹のところがこのコースの取り付き口らしい。

 何時もと同じくここも最初の登りはかなり急坂である。しかも後から付けた道のようで、踏み跡も弱くわかり辛い。コースにはこの時期の代表花「コアジサイ」が青紫の細かな花を咲かせていた。そして、低木の樹木「ハナヒリノキ」の花が地味に全コースにわたって蔓延していた。

 やがて尾根道らしくなり、コースがはっきりしてくるとブナ林が現れてきて、快適な山歩きコースとなってきた。間もなく近江坂への分岐に到着した。ここからは「トレイルサミット」で歩いているのだが、景色やブナの新緑の素晴らしさは格別である。

 ここから1時間弱の快適な登りで本日一つ目のポイント地点「大御影山」に到着した。一つのパーティが頂上を占拠して食事中だった。ここではその一人の方に証拠写真を撮っていただき早々に出発する。そしてすぐ近くの反射板のところまで行くと眺めが綺麗で若狭湾が遠くに霞んで眺められた。

 時刻はお昼前となっていたが、先を急いだ。しばらくで開けたところがあり、ここからは綺麗な山容の「雲谷山」が前方正面に望めた。このあたりからコースは急な下りとなって行き、途中「能登又谷」経由で松屋方面に下る分岐があった。そしてまた素晴らしいブナ林のコースへと戻っていった。

 やがて大日方面への分岐に到着した。この辺りの環境も素晴らしい。ここで昼食をとることにした。さすがにこれからは、大御影山で出会ったお一人の方以外には誰にも出会わない。素晴らしい環境を4人で独占できた。まだまだ先は長いので、早々に出発した。

 ここから先は平井さん以外私にとっても、京都市の女性お二人にとっても未踏のコースであった。未知のコースを歩くワクワクした気持ちになってきた。コース自体は尾根道であるが、ブナの数は大日尾根よりは少なそうだ。この尾根は雪が多く、風当たりが強いのか曲がって伸びている樹木が多かった。

 ブナも多くの株立ちで曲がったユニークな個体がたくさん見られた。このあたりから天気が曇りがちになってきた。それでも雨の心配はなく、気温も上昇してないようで、山歩きにはそれほどこたえない気候だ。

 途中に「ヒカゲノカズラ」が群生した広場があり、小休止をとった。そういえば今日は、タンナサワフタギ、ツルアジサイ、ナナカマド、ミズキ等樹木の白い花は目立つが、草花では、コナスビ、タニギキョウくらいしか見られていなかった。ところが、先を進んでいて折り返してこられた一人の方が綺麗なランが一株咲いていることを教えてくださった。

 これがまた真に綺麗な花で、本日初めて真剣に時間をかけて花の写真を撮った。そうこうしているうちに本日二つ目のポイントでトレイル上の終点「三重嶽」に到着した。この周辺では最も高い山へたどり着いた喜びが湧いてくる。写真を撮って早々に下り、本谷橋へと向かう。尾根道は激下りだ。コースの右手はシャクナゲの群生。今年のゴールデンウイークあたりは綺麗だっただろうか。

 本谷橋へは予想より早く下れたが、ここから車のある抜土までの林道歩きは登り返しといい、距離といい想定を大きく上回るものだった。しかしこんな奇想天外なコース企画は最初で最後になるだろう。次回のスタートは「三重嶽」となるのだが、そこまでのアプローチをどうするか今から頭の痛いことになった。
 コースで出会った花々
タンナサワフタギ コアジサイ ハナヒリノキ
ナナカマド ギンリョウソウ ヤマボウシ
ツルアジサイ コナスビ タニウツギ
クルマムグラ トケンラン サラサドウダン
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