古代のVAGAN
(いにしえのバガン)

永久保貴一著/朝日ソノラマ刊

「カルラ舞う!」で有名な永久保貴一の変身ヒーロー(ヒロイン)物です。
悪辣な組織に父親を誘拐された少女が頼もしい(楽しい?)仲間達と
謎の珍獣とともに父親を取り戻し、敵の組織をも叩きつぶすお話・・・なのですが、
凶暴な三人組が好き勝手に暴れ回り敵さんを叩きのめす話にしか見えません。(笑)
 

登場人物の紹介

日々野美香

岩戸山高校に転校してきた体操が得意な少女。
父親がぶらっくぜずすにさらわれ、行方不明になった後は
梓(何故か秋月家に同居している)ともども秋月家に世話になっている。
父親が掘り出した「赤の聖石」に気に入られ、バガンを装着する事となる。
平吉に続いて好意を寄せる梓までも誘拐された時、意を決した美香ちゃんは
「母の魂」と彫り込まれたつるはし(父平吉さんの愛用品)を手に
敵のアジトに乗り込み、愛の奇跡でバガンに変身。
最後は力の加減が分からないまま大業を繰り出し、
古墳ごと敵のアジトを吹っ飛ばしてしまいました。
(ランドウ一家かいっbyアクロバンチ)

ところで古墳の爆発から戻ってきた時手ぶらだったけど、
「母の魂」のつるはしはどうしたの?
 

水無瀬梓

道ばたに落ちている空き缶を拾って歩き、
どんな人にも公衆道徳を説く化石のような性格の美少年。
偶然知り合ったター坊と(公園でナイフ投げしているのを見咎めて注意した)
一緒にぶらっくぜずすのメンバーの後をつけてアジトに潜入するも
逆に捕らわれてしまう。

どうやら霊能力もあるようで、古代の石版と感応したり、
異空間を感知したり、救出に来た美香ちゃん(バガン)の気配に気づいたりしていた。
なお、彼の行為を見て「だっせ〜」とか「変な人〜」思ってはいけません、
本来彼の行動こそが正しいのです。(でも身近にこんなのがいたらうっとおしいぞ)
 

秋月蓮

人面獣と殴り合い、バイクを投げつける怪力と、
十三歳でマサチューセッツ工科大を卒業した天才的頭脳を持つが
性格も常人とは一味(いや二味以上か?)違う、これまた美形の少年。
梓と平吉救出のため特製スーツに身を固めアジトに乗り込むが、
天呉を装着した邪三郎に敗北、悔しさを堪えて美香ちゃん(パガン)の応援に回っていた。

どうでも良い事だが、この人何故に梓に発信器なんか持たせているんだ?
尚彼についてのまわりのご意見は、
不良生徒談「どっちが化けモンだか分かりゃしねえ」
邪三郎談「化け物の少年」(←化け物はそっちだろうが(蓮談))
・・・人間扱いされてませんね。(無理ないけど)
 

聖じゅりあん邪三郎

邪教集団ぶらっくぜずすの首領。
ただのイッてるおっさんかと思っていたら、
バガンと同じ破壊獣「天呉」の装着者だった。

ところでこの邪三郎さん、蛇三郎さんと名を変えて、「霞の竜笛」にもご出演。
ここでもやはり彼独特の持ち味で話を盛り上げてらっしゃいました。
 

日々野平吉

バガンの復活を狙うぶらっくぜずすに誘拐された
美香ちゃんの父親で考古学の教授、・・・のはずなのだが、
どう見ても土木関係の方にしか見えない。
現に邪三郎さんに「学者というのは本当。」と感心され、
彼を捜しに来た筈の梓も、最初は彼が日々野教授とは分からなかった。
でも、言葉の端々に知性の煌めきはありましたけどね。

バガンに変身した美香ちゃんを見て、「文金高島田が似合わない」と嘆くあたり、
この人もやはり並ではない。
 

太平

通称ター坊、養母がぶらっくぜずすに殺されてしまった為、
他の里子達と別れて別の施設に入る事が決まっている。
なかなかの腕白坊主で人面獣相手に一矢報いていた。
彼の活躍でぶらっくぜずすのアジトを突き止め、梓、平吉の救出にも成功したのである。
(いや、梓が捕まったのは彼のせいという一面もあるけど)
美香ちゃん談「あたしが十歳若かったら、ほっとかないぞ。」
 

中村

秋月家の執事、例によってこの人も変である。
 

雄にいちゃん

ター坊の義理の兄。
補導歴数回の不良さんだが、この話の中では一番の常識人だと思う。
 

みげる山口、ぺどろ塩沢

ぶらっくぜずすのメンバー。
 

えれみや巴

ぶらっくぜずすのメンバーで、一癖ありそうなお婆さん。
 

人面獣、人面蜘蛛、人面鳥

ぶらっくぜずすの(いや、邪三郎がか?)つくりだした異形のモノたち。
 

バガン

古代邪馬台国の破壊神。大地を司る生きている鎧である。
普段は謎の珍獣として可愛らしいリボンを付けられ美香ちゃんのペットをやっている。
 

天呉(テンゴ)

バガンと同じく古代邪馬台国の破壊神で、天空を司る。
何故か邪三郎とくっついている。
 

海童(カイドウ)、モウゾウ

古代邪馬台国の破壊神、二体とも出番は無いままである。
カイドウが水、モウゾウが火を司ると思われる。