重機甲兵ゼノン
神崎将臣著/少年ビッグコミックス刊
 

街の片隅をぼろぼろの少年がさまよっていた。
墜落した飛行機に乗っていた筈なのに、気づけば東京にいたこの少年、
墜落のショックのためか記憶の殆どを失っていた。
そんな彼に近づく女子高生薗子リサ
薗子は彼が失踪中の先輩叶飛鳥ではないかと案じていたのだ。
そして、叶と敵対していた応援団の団長郷田竜二も遺恨を晴らすべく叶に詰め寄る。
そして、脱走した叶を追う謎の組織「赤い海」、
叶に異様に執着する謎の男トウノの魔の手が迫る。
「赤い海」の追っ手は叶の母親にも迫り、
彼女は叶の目の前で「赤い海」のサイボーグジェイスンに殺されてしまう。
そのショックで叶の記憶は甦り、同時に彼の中のゼノンが発動した。
彼は3ヶ月前「赤い海」にさらわれ、重機甲兵ゼノンに改造されてしまったのだ。
母の命と人間としての自分自身を奪われた叶飛鳥の戦いが今始まった・・・。

う〜ん、一巻のあの盛り上がりはこんな文章では伝わりませんねえ。(苦笑)
特に初めてのゼノンへのメタモルフォースに至る過程は鳥肌ものなんですが。

この後、応援団員を皆殺しにされた郷田と、叶と同じく下半身を機械体にされた冴野陽子
そして、薗子の祖父でゼノンの考案者新田兵衛門らとともに叶君は戦いを続けていくのですが、
戦いは悲惨を極め、人間では無くなった自分の体に苦悩する日々の中、
「オレは人間だっ。」という叶君の叫びが痛いです。

しかし、辛い事ばかりではない、叶君が人間じゃないと知らされ動揺はするものの
「叶さんを好きになって良かった。」と言ってくれた薗子ちゃん、あなたは偉いっ。

このお話、掲載紙の休刊で「赤い海」の拠点をいくつか潰した所で終わってしまい、
宿敵であるトウノとの決着もつかないままなんですけど、
終了から十五年じゃもう再開は無理でしょうね。(溜息)
 
 
 
と諦めていたら、現在(2007年)復活していました。
ただ、これは仕方の無い事ですが・・・、皆さん顔がかわってましたね。