名越ごえの山城

米原市山室(旧坂田郡山東町山室)


■創築年

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■創築者  小足備前守?  
■形式 山城砦
■遺構 土塁、堀切、竪掘、郭
■面積 南北400m×東西150m
■標高  277m

 長浜市名越町・布施町と山東町山室の境界を画する尾根上及び山室集落に向かって下る支尾根上に築かれている。

 縄張りからすると、北、東、南の三方に対して堀切が築かれ厳重な防備を配しているのに対し、西の名越町側には全く防備がなされていない事から、西(長浜市)側の勢力が築いた山城であることがうかがえる。

名越に京極氏の家臣小足備前守が在城しており、同氏が築いた可能性が高い。

 遺構は標高277mのピークに主郭(80m×43m)を配し、南に下がった20m地点には堀底を石塁で2重構造にした堀切を、50m先の鞍部にも堀底に土橋を付属させた堀切を設け、南側に対する防禦としている。

主郭の東側は急斜面を下った所に堀切を、それより45mの間には廊下状の郭と削平の不十分な郭を設け山側より直登する尾根筋を防いでいる。

 主郭の北側虎口部は土塁を伴う傾斜地となっており、先端は堀切で画されている。それより北方へ40m登りきった標高277mの頂部には東西25m×南北30mの不整形な郭に出る。ここから西は布施へ、北西へは名越へ通じる要の郭であったことが伺える。更に北方には、1段下がって廊下状通路(長さ約45m)が続き先端部は15m×18mの不整形な郭となる。段築の痕跡を残す急斜面を下った所には、中央と北側に土塁を伴う二重の堀切を配し北からの侵入を防いでいる。更に前方は緩やかな鞍部を挟んで廊下状の尾根道となるが、90m付近の西部のみに浅い堀切が見られ最北端の外郭と考えられる。

 

横 山 連 峰

南端の堀切