離婚のいろいろ

血のつながっていない他人が一緒に暮らす「結婚」とは不思議なものです。もともと全く他人だったのですから、ささいなことで離婚するのも当然なのかもしれません。
 ある夫婦は、離婚を前提に調停を申し立てました。裁判所で、調停委員を挟んで、話し合いをするのです。離婚自体には双方とも異議がありませんでした。すんなり離婚が成立するかと思われました。そして、子供との面会の話になりました。夫は、「子供に会わせてほしい」と言いました。妻に聞くと、子供も「お父さんに会いたい」と言っている、会わせてやりたい、と言いました。夫も、妻も、子供には罪のないことを十分わかっていました。
 調停委員は、子供のためにも、もう一度やり直せないか、考えてみたらどうか、と2人に言いました。2人はその話を涙を浮かべながら聞いていました。2人は本当は離婚したくはなかったのでしょう。「離婚」という言葉が出たときから、引き返すことができなかったのでしょう。それを引き留めたのが、子供だったのです。
 しかし、ときには、子供が邪魔者になることもあります。別の事件で「親権者を被告(夫)にしてほしい」という妻からの訴状をみたことがあります。夫からの答弁書には、「親権者を原告(妻)にしてほしい」とありました。どちらからも「いらない」といわれた子供。果たしてどちらに引き取られたのか、結果は分かりませんが、その後の子供の置かれる状況を考えると胸が詰まります。
  「大人」たちの勝手に揺れ動かされる子供がいて、他方では、「子供」に揺り動かされる「大人」たちがいます。どちらも思慮分別のある「大人」のしたことなのですが、子供の目にはどのように映るのでしょう。

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