昔、伊吹山は女の人が登ってはいけないといわれていました。三合目までは許されていたそうですが、それ以上登れば必ず神のとがめがあるといわれていたのです。ところがある時気丈夫な女の人が、おそれずに登りました。五合目を越えるあたりから雲ゆきがあやしくなり、八合目に近づく頃には天をやぶるような大雨となりました。そのはげしさはとうてい口にすることが出来ませんでした。雨のはげしさは岩をもけずったといいます。女の人は必死になって岩にしがみつきましたが、とうとうそのまま死んでしまいました。八合目近くにはその時雨でけずれた雨降り岩、女の手のあとの残った手がけ岩があります。 |