Swan  琵琶湖水鳥・湿地センターラムサール条約ラムサール条約を活用しよう第8回締約国会議

ラムサール条約

決議.22:国際的に重要な湿地の選定基準

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「湿地:水、生命及び文化」
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第8回締約国会議
バレンシア,スペイン,2002年11月18-26日


決議.22

国際的に重要な湿地の選定基準を満たさなくなった、あるいはかつて満たしたことのないラムサール条約湿地に関する事項

1.ラムサール条約第2条5項では、湿地の廃止または縮小について「いずれの締約国も、…既に登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のために廃止し若しくは縮小する権利を有する」と定めていること、また第4条2項では「締約国は、登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のために廃止し又は縮小する場合には、できる限り湿地資源の喪失を補うべきであり、特に、同一の又は他の地域において水鳥の従前の生息地に相当する生息地を維持するために、新たな自然保護区を創設すべきである」と定めていることを想起し

2.決議.20では、条約第2条5項の下での「緊急な国家的利益」の解釈と第4条2項の下での代償措置の検討について一般的手引きを定めていることに留意し

3.決議.23では、条約第2条5項の緊急な国家的利益の規定とは別に、ラムサール条約湿地の境界について明示し直すことが必要となる状況もあることを認識していることを重ねて想起し

4.決議.21では、登録時の境界の記述が誤っていたり不正確だったりした場合への対応として、ラムサール条約湿地情報票(RIS)における条約湿地の境界の正確な記述に関する手引きを定めていること、また決議.13では、地図の提出も含め、RISの適用と記入に関する詳しい手引きを定めていることにも同じく留意し

5.決議5.3の付属書には、登録の時点で「国際的に重要な湿地の選定基準」(以下「選定基準」という)を満たしていなかった湿地に対する検討手順が定められているが、この決議以外には、ラムサール条約では条約湿地が選定基準を満たさなくなった場合に締約国の助けになるような手引きを定めておらず、また湿地の一部分が、その選定理由となった価値、機能、属性をやむを得ず失うような状況や、あるいは湿地の一部分が誤って条約湿地に加えられたような状況についての手引きが一切ないことに重ねて留意し

6.次のような状況もありうることを認識し

a)条約湿地が選定基準を満たしたことがない場合;

b)条約湿地の一部またはすべてが、その選定理由となった価値、機能、属性をやむを得ず失う場合、あるいは誤って条約湿地に加えられた場合;

c)登録時に選定基準を満たしていた条約湿地が、価値、機能、属性に変化はないものの、選定基準が変化したリ、その基準の根拠となった個体数の推計値やパラメータが変化したために、その後選定基準を満たさなくなる場合;

締約国会議は、

7.上述のような状況に関して、以下を含めたいくつかの問題を詳しく検討することを提案する

a)条約湿地が、国際的に重要な湿地として指定するための選定基準を満たさなくなるシナリオの特定;

b)条約に基づく締約国の義務と、第4条2項に基づく代償措置の適用の可能性;

c)上述のような状況の中で、条約湿地の境界の廃止または縮小を検討する場合に適用しうる手順;

8.常設委員会に対して、前段落7の問題を考慮し、ラムサール条約事務局、国際団体パートナー、科学技術検討委員会、適当な法律専門家及びその他の専門家、及び関係締約国からの支援を得て、第9回締約国会議(COP9)で検討し、できれば採択するため、本決議で取り上げた問題及びこの問題と決議.20、.21で取り上げた問題との関係について手引きを作成するよう要請する


ラムサール条約第8回締約国会議の記録 [和訳:『ラムサール条約第8回締約国会議の記録』(環境省 2004)より了解を得て再録,2005年,琵琶湖ラムサール研究会.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]

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