けんぱ

kempa


             けんぱ
            
            
             乾いたアスファルトの路地に白いチョークの痕を見つけました。
             それは紛れもない「けんぱ」の痕でした。
            
             ふと、遠い時間にこだまする子供たちの喚声が聞こえるようで
             不思議な感覚にとらわれました。
             私が驚いたのは、まだこんな遊びをする子供たちがいたことと
             同時に時間を置き去りにしてきた自分の心でした。
            
             デジタルゲームが謳歌する時代、いやゲームだけではなくて
             ほとんどのものがデジタル化してゆく世の中。
             それが間違っているかどうかはわからないけれど
             チョークと石ころだけで夢中になれる心だけは失いたくないものです。