蛍狩り

hotaru


             蛍狩り     ほたるがり
            
            
             ほわぁっと青白く光る蛍。
             差し出す箒に頼りなげに寄り添う。
             捕まえては見るももの一抹の寂しさが心に広がります。
             「出会いと別れ」「生と死」を繰り返し見つめてきた
             日本の夜の風物詩にはいつも“無常”が伴います。
            
             そんなこととは関わりなく子供らが楽しげに蛍を追います。
             深く青い闇の中にこだまする子供たちの明るい声。
             私に駆け寄る子供。合わせた掌のなかに今を精いっぱいに光る
             一匹の蛍。受け取ろうとした瞬間、飛び立ちそして私の肩に停まり
             躊躇うようにまた夜の中に光を残し消えてゆきました。