にお積み におづみ
「にお積み」。この言葉だけを聞いてピンとこられる方は少
かも知れませんね。他に「藁塚」「にょう」「藁ぐろ」など
地方によっていろいろな呼び名があるようです。
脱穀したあとの稲藁を円錐円筒型に積み上げて春まで様々な用途で
使う藁の貯蔵方法として最近まで行われてきました。
私どもの地、近江ではもうほとんど見かけなくなってしまいました。
抜けるような秋空に大きな栗の木。
刈り取りを終えた田に点々と積み上げられた「にお」。
まさに日本の原風景とでもいうべき景色が日常ではなくなりつつあります。
藁の用途は「俵」、「むしろ」、「草履」、「蓑」、「縄」。
ほとんどがもう私たち自身が使わなくなってしまったものです。
不便、時代に合わないと切り捨てていった私たち自身が
この美しい風景をなくしていったのかも知れませんね。