| 第1481号 |
| 2000年10月11日 |
| 非拘束名簿式 制度に大欠陥 票の横流しはひどい いま、国会で大きな争点になっている非拘束名簿式はどんな問題があるのかみてみましょう。 非拘束名簿式とは 現行の参院比例代表選挙は党内で予め当選順位を決めた名簿を見て、政党名を記入し投票します。各党は総得票に応じて、議席を配分され、自動的に当選者が決まります。 今問題になっている非拘束名簿式では、政党が予め示す名簿には当選の順位がありません。投票は政党名でも候補者個人名でもよいことになっています。政党と個人名の両方の票が合算されて政党議席数が決まります。政党内では得票の多い人から当選が決まります。 非拘束名簿式は「票の横流し」 非拘束名簿式では、個人の得票は全部政党の得票に合算されます。従って、その個人の当選に必要な票以外は他の候補者に『横流し』されることになります。 例えば、A候補が200万票を獲得したとします。当選ラインが100万票とすると、残る100万票はB候補、C候補に横流しされ、B、C候補を当選ラインに滑り込ませることが可能になります(図参照)。A候補に当選して欲しいと思って投じられた票が、有権者が意図しなかったB、C候補に回り当選させるという奇妙な事態が起こります。そしてそのあおりで、現行制度なら当選可能な他党の候補者が落選します。これでは有権者の意思は正しく生かされません。 制度に根本的欠陥が こうした問題が生じるのは、制度に根本的な欠陥があるからです。そのポイントは性質の違う個人への投票と政党への投票を合算(混同)して、すべての政党への投票とみなすことです。 個人の投票だけ(昔の参院選全国区)なら横流しは生じません。政党名投票だけでも横流しは生じません。 もっともたちの悪い選挙制度です。 ところが「長嶋茂雄さんなら500万票、5人当選は堅い」(あるベテラン代議士の言 朝日新聞)などと、著名人を何人も候補者に立て、党の比例区票を大幅に底上げし、議席を伸ばすことを与党はねらっているのです。こんな国民を馬鹿にした話はありません。 「党が勝つことが大切」とゴリ押し 非拘束名簿式は総選挙後に突如、与党が持ち出したものです。参院では、選挙制度協議会が今年2月に「(選挙制度)の抜本的な改革は次回の通常選挙に間に合わせることは時間的に困難」、「当面は現行の拘束名簿式を維持することを前提として議論をすすめることとなった」と報告していました。全会派が一致をし、斎藤十朗議長も了承していたこの合意を与党は総選挙後に一方的に覆しました。 そして、野党の反対をおし切って、参院選挙制度特別委員会を強行、3日、改悪案を国会に提出したものです。 なぜ与党は参院選挙制度の改悪をこれほどまでにゴリ押しするのでしょうか。その背景に、自民党が90年代、参院選ごとに、比例代表の得票率と議席を減らしていることに加えて、さきの衆院選の比例得票率(28%)の結果に強い衝撃を受けたことにあります。「現行の制度をやっている限りわが党の組織は減っていく」(野中幹事長)、「党が勝つことが大切」(青木参院幹事長 「朝日」9月6日付)と危機感を語っています。 |
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| 「民主主義の自殺行為だ」(高知新聞) マスコミからも強い批判の声 4日付の全国紙・地方紙は、いっせいに与党の責任を問う社説を掲げました。 さらに11日付「朝日」は「責任は与党にある」と題して、右のような社説を載せています。 かつての全国区制よりもっと悪く、有権者の参政権や民主主義をずたずたにする非拘束名簿式に、きっぱりノーの意思を示しましょう。 (囲み記事) 「責任は与党にある」 (「朝日新聞」10月11日 社説) 直ちに予想されるのは、人気投票的な要素が強まるだろうということだ。知名度、好感度の高いタレントやスポーツ選手らを名簿に載せれば、党名投票だけでは掘り起こしにくい票の獲得が、確かに容易になりそうだ。 それは、野党側が票の「横流し」として批判している問題点に直結する。 〜略〜 こうした制度が、果たして国会議員にふさわしい能力や見識の持ち主を選ぶことにつながるのかどうか、大いに疑問である。 |
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| 参院補選への滋高教の思い 30人学級を実施するのか いま、滋賀は全国唯一の国政選挙(参議院補選)が、おこなわれています。 滋高教の要求から、選挙を考えてみましょう。 30人学級教職員定数増は 今の子どもの「荒れ」・くずれを解決し、子どもの自立をはかる教育をすすめるために30人学級の実現と教職員定数増は私たちの一番の要求です。この年度末に第5次教職員定数改善計画が終了します。来年度から「30人学級」の標準法をつくるのかどうか、3人の候補者の政策が注目されます。 教育国民会議は「奉仕活動の義務化」や教育基本法の改定に向け「中間報告」を出しました。今の子どもや社会の問題をどれだけ真剣に考えて、その原因や解決の方向を示しているか。子どもと親と教職員による学校づくりを励ますのかどうか。教育基本法を変えるのなら、どこが悪いのかどう変えるのか、変えないのならどこが大事で、今の課題をどう打開するのか。各候補・政党の考えが注目されます。 びわこ空港は 次に注目されるのがびわこ空港問題です。「びわこ空港投票条例」でも、地元でも空港反対は、多数の声です。この声を無視して、一部の業者のために環境を壊してまで建設しようとするのかどうかが注目されます。 雇用・福祉は 今日の深刻な雇用問題を解決するために解雇やサービス残業を規制し労働者を保護する法律をつくること。 低所得者の介護保険料・利用料を減免し、よりよい介護保険制度に改善すること、医療・福祉の改悪をとめ、充実すること。ムダな公共事業、軍事費を削って社会福祉と財政再建にまわすこと。 この労働者・国民の緊急の要求にどう応えるのか、注目されます。 環境問題は 環境ホルモンなどに示されるように、環境問題は人類の生存に関わる問題になっています。物の生産から消費・最終処理まで総合的な視点で環境問題にとりくむことが必要です。もう猶予はできません。この問題に明確な政策をもっているのかどうか。 あいば野演習は この11月に周辺事態法を想定し、あいば野で合同演習が実施されます。 これに対し地元の不安はつのり、浅井町・永源寺町などで反対決議があがっています。この合同演習に各候補者はどういう態度をとるのか。 農業・食糧自給率は 米価の下落で農家はあえいでいます。いま、私たちの胃袋の半分以上は外国産食糧で満たされています。食糧自給率の向上を重要課題にするかどうか。 |
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世界は新しい平和へ 日本は戦争準備へ 10月3日、今回の合同演習の概要が発表されました。今回は1986年以降6回目です。はじめての2年連続実施に「あいば野が、米軍の恒常的な演習場にされるのではないか」と不安の声があがっています。 「米軍の恒常的な演習場にされる」不安と怒り 周辺事態法を想定 踏みこんだ演習が 演習は、陸自と米陸軍による地上訓練に加え、三沢基地の米空軍機からの近接航空支援と物資投下、航空偵察などを行います。米陸軍は名古屋港経由で資材と物資搬入を予定しています。防衛庁関係者によると、米航空機が陸自を支援する訓練は初めてとのこと。さらに関係者は訓練について情勢は緊迫段階から、わが国が武力的攻撃を受けた段階までと想定した。従来より一歩踏み込み、日米の統合運用能力の向上を図るのが目的」と説明。(「京都新聞」より) 「米国の戦時」に組みこまれる さらに、今回のあいば野での合同演習と同時期に「周辺事態法」発動にそなえた訓練が日本のあちこちで一斉に展開されることが明らかになりました。全国の5つの基地・演習場での日米統合演習の他に、日本海で「周辺事態法」に規定された「後方地域捜索救助活動」の初の日米合同訓練も実施される予定です。この訓練について京都新聞(10月2日付)は、「戦闘で遭難した米兵を救助するという筋書きの大規模な訓練を実施する動きは、一見『平和活動』に協力するかのように映るが、実態は『米国の戦時』にいや応なく組み込まれていくことを示している。」と解説しています。 これらの演習に参加する人員は日米合わせて約21,000人で、艦艇約20隻、航空機約310機が使用されるという大がかりなものです。 「日米合同演習はもう時代おくれ」「このような戦争準備の日米合同演習はやめよ」の声が広がっています。11・3あいば野大集会の成功が期待されます。 |
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| 浅井町「合同演習」協力を拒否 この9月議会で、「ふるさと連絡会」の日米合同演習反対の請願が、浅井町、永源寺町の両議会で採択されました。今まで「防衛にかかわることは国の専管事項」として、判断さえ避けられてきたことからみれば、画期的なできごとです。保守系の議員からも「請願書の内容は当然のこと」「日米合同演習はもう時代おくれ」などの声が聞かれます。「もうアメリカや国の言いなりのままでは、農業はたちゆかず、平和も守れない」との思いが主流になってきたものと思われます。 浅井町議会の決議 防衛庁が11月上旬から高島郡陸上自衛隊あいば野演習場で計画している日米合同演習は、周辺事態法の発動に備えた演習である。朝鮮半島では初の南北首脳会談やオリンピックでの南北合同行進、また、日本・ロシア平和条約交渉の継続等、平和な21世紀を築こうとしている現在、戦争準備のための日米合同演習に反対するとともに、昭和62年1月「平和町宣言」の決議を行なった浅井町に対する合同演習へせの協力要請も拒否するものである。 |
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| 以上、決議する。 平成12年9月22日 滋賀県東浅井郡浅井町議会 |
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| 日米演習計画 全土で21000人 三沢市、大和市 米軍との友好関係中断 「市民の我慢も限界」「植民地扱いだ」。この9月、住民や自治体の中止要請を無視して、やりたい放題の米軍に対し青森・三沢市長、神奈川・大和市長が、米軍との友好関係中断を発表しました。昼夜を問わずすさまじい爆音が街をゆさぶるNLP(米空母艦載機の離着陸訓練)に堪忍袋の緒が切れたものです。その後、神奈川県では、知事と厚木基地周辺の7市長が連名で在日米海軍司令官と日本政府に「厳重抗議とNLPの中止」を強く要請しました。「私は米軍・安保否定ではない。むしろ基地司令官とも積極的に交流してきました。しかしもう限界です」と大和市の市長は語っています。 演習は喜ばしいことではない 高教組も加わる「ふるさと連絡会」は、9月25日、10月2日に高島郡内の自治体に要請を行いました。対応した町村長・助役は、「日米合同演習は喜ばしいことではない。住民の安全・生活を守ることは大事」「2年続けての演習は今までになかったこと。米軍の基地化は絶対反対。住民の生活・安全を守るために言うべきことは言っていきたい。昨年、ヘリの低空飛行訓練は困るとの要望を出した。今年、低空飛行は減っている」などと発言しました。その言葉の背後に、合同演習を積極的に受けとめていない様子がうかがえます。 |
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