咬傷と虫刺傷

咬傷と虫刺傷


痛い、痒い、特に夏の夜は苦手

蚊などの虫刺傷は痒いばかりでなく、マラリヤや日本脳炎等のウイルスを仲介しますし、蛇に噛まれるのも、気持ちの悪いものです。ここでは虫刺傷と咬傷について学びます。


  1. 蛇咬傷

    咬傷で致命的なのは蛇咬傷で、本土ではマムシ、沖縄と奄美ではハブがあります。両蛇とも上顎前部に2本の毒牙があります。受傷直後から電撃痛が起こり、灼熱感を伴い、受傷後20〜30分で、毒牙痕を中心に皮下出血を伴う腫脹が出現します。

    全身症状として嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、全身脱力感、チアノーゼ、血尿を見ます。
    治療は全例入院して経過観察が必要で抗生物質の投与などの対症療法の他、抗毒血清を投与します。死亡率はマムシ0.1%、ハブは0.5%です。

    ヤマカガシは出血毒を有し、循環不全、腎不全をきたす事があります。抗毒血清はないので血液透析が必要の場合もあるので注意しましょう。

  2. 犬や猫の咬傷

    犬、猫、鼠やペットによる咬傷は現在日本では狂犬病は無いので致命的なものではありませんが、ブドウ球菌や嫌気性菌(破傷風菌など)の細菌感染やウイルスなどの感染が重要です。動物の口中の菌には、普段関わり会う事のない人間は免疫を持っていません。つまり、抗体を持っていないので、感染しやすくなります。
    そこで、局所の腫れのひどい場合や発熱した場合は医師への受診が必要になります。

  3. 虫刺傷

    虫刺傷では、日本には毒蜘蛛やさそりなどの致命的な昆虫毒の刺傷はありません。刺されると局所の激痛、発赤、腫脹、硬結、時に中央に壊死を生じますが、冷やしたり、痒み止めの薬を塗ったりする局所療法で通常は数日で消退し、痕跡を残さずに治癒します。

    受傷者にアレルギー体質があると嘔気、嘔吐、全身倦怠感、呼吸困難、蕁麻疹、痙攣、意識障害などアナフィラキシーショックを起こして、特に蜂などで受傷数が多いと致命的になる事もあるので、注意を要します。

  4. 蜂の虫刺傷

    蜂の刺傷では毒針が遺残すると二次感染を起こし易いので、早期に毒針を取り除きますが、毒針は鉤を有するため抜きにくく、叉毒嚢を指でつかむと毒が更に注入されるので、注意しましょう。
    二次感染を起こすと蜂窩織炎、膿瘍、リンパ節炎を続発して、抗生物質の投与が必要になるので、医師への受診が必要になります。ムカデ、アブ、アリも蜂に準じますが、蚊では日本脳炎ウイルスを媒介するので、夏になる前に予防接種を完了しておくのを忘れてなりません。

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