井の中のカワズ大海を知らず
専門家などがTVのコメンテーターなんかとして出演し、かなり専門的な解説をしたりすることがある。そういうのを聞いていて理解できないときなどに「あんなヤツは所詮井の中のカワズやから、一般的なことは何も知らんのちゃうか?」などとひがみたくなることがある。まあ、このときの言葉の使い方はあながち間違ったものでもないのだが、「井の中のカワズ大海を知らず」という言葉自体は本来ケナシ言葉でなく誉め言葉だと知っている人は少ないのではないか。
もともとこの言葉はこれだけのものではなくて、「井の中のカワズ大海を知らず、されど空の高さを知る」というものであった。つまり、何事かを専門的に突き詰めていくと、世事には疎くなるかも知れないが、その代わり一般の人には知る由もないようなことまでもが見えてくるものだ(だから勉強せい)という意味を持っていた。
つまるところ、「お前なんか井の中のカワズじゃ〜!」と言われても特に気にすることなんか無いのである。本来は、ね。
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