的を得た
物事の核心をズバリと言い当てたりしたときに、「君の指摘はなかなか的を得た素晴らしい意見だったよ」などと言われることがあるが、そんな言い回しを使うなんてそれこそ的外れなのだ。もちろん、こんな言葉はない。それを言うなら「的を射た」もしくは「当を得た」とすべきである。
分かりやすくたとえると、江戸時代の庶民の娯楽に「当たり矢」というのがあって、小さな弓矢と的があり、お客がそれを見事射抜けば「あた〜り〜」ドドンドン(←太鼓の音)とやるアレである。これを考えてみると、弓矢を使って的を射るのだ。そして、それに命中すれば「あた〜り〜」を得るのだ。決して的をもらえるわけではないでしょ。
こういった光景を思い描けば、「的を射た」「当を得た」と「的を得た」がごっちゃになることはないだろう。
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