�ｂX１２０ 『ツィゴイネルワイゼン』 1980年/シネマ・プラセット/１４４分/カラー/スタンダード/モノラル/公開：1980年４月10日 監督･鈴木清順 シナリオ・田中陽造 原作・内田百�闥个サラサーテの盤｣ 出演：原田芳雄・大谷直子・大楠道代・藤田敏八 PIBD-1062　144分　片面・２層ディスク　MPEG 2　COLOR 発売元：パイオニアＬＤＣ��			�ｂX１３９ 『ツィゴイネルワイゼン』 1980年　日本映画/シネマ・プラセット作品/カラー/スタンダード・サイズ(１×1.37)/モノラル/１４４分(10巻3954ｍ)/公開：1980年４月10日(配給：シネマ・プラセット) 監督･鈴木清順 シナリオ・田中陽造 原作・内田百�闥个サラサーテの盤｣ 出演：原田芳雄・大谷直子・大楠道代・藤田敏八 GNBD-1398　本篇144分+特典61分　片面２層　MPEG 2　COLOR 発売元：シェネオンエンタテイメント��
むかし、男のかたわらには 　　そこはかとない女の匂いがあった。 　　男にはいろ気があった。 　1980年、東京タワーの足下の銀色のドーム型テントが現れた。 　今や伝説として語られ始めているこの移動映画館・シネマプラセットの初製作・上映映画作品が『ツィゴイネルワイゼン』である。噂が噂を呼び、動員観客数は単館上映としては異例の96,000人を記録した。 　内田百�閧ﾌ『サラサーテの盤』ほかいくつかの短編小説を、生と死、時間と空間、現実と幻想のなかを彷徨う物語として田中陽造が見事に脚色。 　士官学校教授の青地(藤田敏八)と無頼の友人・中砂(原田芳雄)を中心に、青地の妻周子(大楠道代)、中砂の妻と後妻(大谷直子の二役)をめぐる幻想譚として描く。 　破天荒な中砂に翻弄される青地はいつしか現実と幻のなかに惑い、妻周子が中砂に誘惑されほだされているという疑念に取り憑かれる。 　そんな矢先、中砂は「とりかえっこ」を提案する。なにをとりかえるのか・・・。 　そして中砂の死後もなお青地は見えない影に弄ばれる。 　奇妙な物語のまにまにサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」の音色が物悲しく響き、音色のなかに一瞬、微かな声が聞こえてくるが、何を呟いているのかはわからない。			生きている人は死んでいて、死んだひとこそ生きているような。 　むかし、男のかたわらには 　そこはかとない女の匂いがあった。 　男にはいろ気があった。 　陸軍士官学校のドイツ語教授・青地とその元同僚で友人の中砂は旅先で、弟の葬式帰りだという芸者・小稲に会う。１年後、結婚したという中砂の家を訪ねた青地は、その妻・園が小稲に瓜二つであることに驚く・中砂と園とのあいだには娘が生まれるが、翌年、園はスペイン風邪で死んでしまう。幼い娘のために乳母を雇ったという中砂を訪ねた青地は、園が赤ん坊を抱いているので驚くが、それは小稲であった・・・。 内田百�閧ﾌ｢サラサーテの盤」を田中陽造が脚色。日活時代から異能を謳われた鈴木清順監督が、荒戸源次郎の制作の下、生と死、時間と空間、現実と幻想が玄妙に交錯する独特の(清順ワールド)を存分に開花させた記念碑的作品。｢産直映画｣を合言葉に、ドーム型移動映画館(シネマ・プラセット)で公開され、１０万人近い観客を動員した。更に、その年の主要映画賞を独占し、国内外を問わず高い評価を受けた。
あらすじ ドイツ語学者、青地豊二郎と友人の中砂糺の二人が海辺の町を旅していた。二人の周囲を、老人と若い男女二人の盲目の乞食が通り過ぎる。老人と若い女は夫婦で、若い男は弟子だそうだ。青地と中砂は宿をとると、小稲という芸者を呼んだ。中砂は旅を続け、青地は湘南の家に戻る。歳月が流れ、青地のもとへ中砂の結婚の知らせが届いた。中砂家を訪れた青地は、新妻、園を見て驚かされた。彼女は、あの旅で呼んだ芸者の小稲と瓜二つなのである。その晩、青地は作曲家サラサーテが自ら演奏している一九○四年盤の「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを中砂に聴かされた。この盤には演奏者のサラサーテが伴奏者に喋っているのがそのまま録音されている珍品だそうだ。中砂は青地にその話の内容を訊ねるが、青地にも、それは理解出来なかった。中砂は再び旅に出る。その間に、妻の園は豊子という女の子を産んだ。中砂は旅の間、しばしば青地家を訪ね、青地の留守のときも、妻・周子と談笑していく。そして、周子の妹で入院中の妙子を見舞うこともある。ある日、青地に、中砂から、園の死とうばを雇ったという報せが伝えられた。中砂家を訪れた青地は、うばを見てまたしても驚かされた。うばは死んだ園にソックリなのだ。そう、何と彼女は、あの芸者の小稲だった。その晩は昔を想い出し、三人は愉快に飲んだ。中砂は三人の盲目の乞食の話などをする。数日後、中砂は旅に出た。そして暫くすると、麻酔薬のようなものを吸い過ぎて、中砂が旅の途中で事故死したという連絡が入った。その後、中砂家と青地家の交流も途絶えがちになっていく。ある晩、小稲が青地を訪ね、生前に中砂が貸した本を返して欲しいと言う。二〜三日すると、また小稲が別に貸した本を返して欲しいとやって来た。それらの書名は難解なドイツ語の原書で、青地は芸者あがりの小稲が何故そんな本の名をスラスラ読めるのが訝しがった。そして二〜三日するとまた彼女がやって来て、「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを返して欲しいと言う。青地はそれを借りた記憶はなかった。小稲が帰ったあと、周子が中砂からそのレコードを借りて穏していたことが分り、数日後、青地はそれを持って小稲を訪ねた。そして、どうして本を貸していたのが分ったのかを訊ねわ。それは、豊子が夢の中で中砂と話すときに出て来たという。中砂を憶えていない筈の豊子が毎夜彼と話をするという。家を出た青地は豊子に出会った。「おじさんいらっしゃい、生きている人間は本当は死んでいて、死んでいる人が生きているのよ。おとうさんが待ってるわ、早く、早く……」と青地を迎える……。