木造伝統構法の耐震設計法

限界耐力計算

 木造軸組み構法は長年にわたり伝承・継承されておりますが、大震災等の影響で 『 木造は弱い 』 というイメージが定着してしました。それは誤解です!弱かった木造にはたくさんの理由があるのです。耐震性のある強い木造もあるのです。確かに金物は強いですが相手は木、強い力が加わると木が鉄に負けて割れてしまいます。木組みでも、仕事が甘かったりすると弱い木造になります。木と木で組む伝統軸組み構法の 『 軸 』 はゆがんでも粘りあい、互いが元に戻ろうとする弾遡性をもっています。その弾遡性を表現する方法として、高層ビルの弾性を構造強度として数式表現できる『 限界耐力計算法 』 が着目されるに至った。現行の基準法では、仕口等の要所には金物を使うことを義務付けられていますが、実験結果を元に構造計算し、強度を実証すれば、伝統構法でも許可がおりるようになり、今後の伝統木造建築の継承及び発展にも繋がるようになってきています。

伝統構法軸組の静的水平加力

滋賀県立大学環境学部のアクチュエーターによる実験

 農家型住宅でよく使われている組み方、『 差し鴨居形式 』の木組みの実験を滋賀県立大学の実験室のアクチュエーターにより静的水平荷重をかけ、ダイヤルゲージにより柱・差し鴨居等の水平変位を計測しました。アクチュエーターの載荷に抵抗して層間変形角1/15の時は18KN(キロニュートン) 1.8t の半力を示しました。伝統構法のセン引き技術 『 弾遡性 』を発揮した耐震性能だと確信しました。

伝統工法を生かす木造耐震設計マニュアル

 大きな変形能力をもち、伝統的な軸組構法の建物を適切に評価できる「 限界耐力計算 」を解説。 壁量計算によらない、耐震設計 ・耐震補強設計が可能となるその手法とは? 民家 ・ 町家 ・ 社寺建築などの伝統構法を再評価する試み。

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