音楽の鑑賞のマナーを教えるエピソード

  私は、「鑑賞の授業」では、

 ただ聴かせるだけでなく、鑑賞のマナーも教えるべきである
 
と考える。
 そこで、私は次のようなエピソードを話した。すると、4年生の2クラスともに、シーンとして聴いていた。これは、以前の学校でも実践済みである。3年生以上のクラス全てでうまくいった。
 但し、今まで、きちんとした台本を作っていないので、1回1回、話した言葉に多少の違いがあった。今後は、これをスタンダードにしたい。

 音楽の好きな人は「ウィーン」というところを知っていると思います。「音楽の都」と言われています。音楽が好きな人なら、とっても憧れるところなんですね。
 平田先生も音楽が好きで、ウィーンへ行きました。コンサートにも行きました。
 コンサートとかね、オペラに行くときはね、ちゃんとした服を着て行くんですよ。男だったら、タキシードとか、女性だったらナイトドレス、とってもきれいなやつ。ちゃんとした服を着ていかないと入れてもらえませんからね。
 行ってみるとね、君たちよりも小さい、低学年くらいの子どもたち(と言いながら、腰のあたりの高さを示す)もお母さん、お父さんに連れられてきているんです。
 そして、驚いたのは、そんな小さい子どもでも、男の子なら、きちんとネクタイをして、ピシッとしたスーツを着てるし、女の子だったら、すごいきれいなドレスを着ているんですよ。こんなちっちゃい子がですよ。(また、腰のあたりの高さを示す)そして、堂々と歩いてるんですよ。かっこよく。それがまたキマってるんですよね。
 でもね、そうやって、特別な服を着せてもらうと、子どもでも、「今日は特別な日だ。」と思うじゃないですか。そして、周りの大人の人もみんな着飾っているでしょう。そして、静かにコンサートを聴いているでしょ。
 そしたら、子どもたちは、「こういうときは静かに音楽を聴くんだ。」というマナーを自然と身につけると思うんですよ。
 だから、みんなも、コンサートに来たつもりで聞いてみましょうね。
 
 そして、鑑賞曲をかける。すると、シーンとして聞くのである。
 
 余談だが、この話に次の話も付け加える。

 前、ヨーロッパ行ったとき、Gパンで行ったんですよ。でも、コンサートに行きたくなって、コンサート用の服を買いに行くことにしたんです。
 普通、ヨーロッパの服やさんは、全部、寸法とか計って、1つ1つ作って行くんです。ですから、頼んでから1週間から10日かかるんですよね。それだけ時間が経ったら、日本へ帰っちゃうでしょ。だから、デパートへ行ったんです。
 デパートで紳士服売り場へ行きました。そして、店員さんに、ドイツ語で、少しだけしゃべれますから、「コンサートに行く服を探しているんです。」と言ったんです。
 すると、店員さんが、ボクを見て、服が並んでいるところから1着ジャケットを出したんです。「これがうちの店にあるもので一番小さいものだ。」と言うのです。
 平田先生は、そのジャケットを着てみました。すると、手の先が袖から出ないんです。裾もこの辺なんです(膝の少し上あたりを示しながら)。大きすぎるんですよ。
 さすがにボクも悩みました。「ウーン・・・・」と言っていると、店員さんが「ちょっと待っていてください。」と言うんです。
 しばらく待っていたら、店員さんが戻ってきました。そして、「ちょっと、こっちへ来い。」と言うんです。付いていきました。
 連れて行かれたところは「子供服売場」。さすがに、ボクも自分で笑いましたね。でも、子供服売り場に行くとピッタリのやつがあったんです。そして、子供用の服を買いました。
 
 この話もとってもウケる。その後、トイレの位置が高いことや洋式便器に足を閉じて座ると、中に落ちそうになる話を加えることもあった。
 
 どれも、教師自身の事実なので、「力のある話」(?)である。

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