「お風呂場で…」  第6話
 私を発見したのはお母さんだった。
 彼女は一瞬卒倒し、すぐに冷静になってお風呂から私を引き上げてから救急車を呼んだ。
 明らかに死んでいる私を見ながら、警察じゃなくて救急車を呼んだ。それが彼女が求めた救いなのか、それとも冷静になりきれなかったのか、私にはわからなかった。
 電話を切った彼女は受話器を放り投げて、泣きながら手に出来る物すべてを投げ捨てた。

 救急車がきて、次に警察がきて、すぐに救急車が帰って、お母さんが出したお布団に寝かされて、お医者さんが来て、検視があって、お医者さんが帰って、警察が帰って、お父さんが帰ってきて、二人が泣いていた…

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