「お風呂場で…」 第8話
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「私のせいだ…」 担任の先生からの私の死を聞いた田中さんがつぶやいた。 「この娘は?」 「田中さん。転校していった同級生」 「友達?」 「解らない。ただ、段々変な子になってく私を気にしていてくれた。真面目で…、優しい人」 「この娘のせいなの?」 「違います。変になっていったのは私のせいだし、そのきっかけに田中さんは全然関係ないです。ただ、田中さんは私に優しくしたから、そのせいで私がクラスでバイ菌扱いされたと思ってた…」 「この子の勘違い…」 「うん。でも、田中さんが私の事で傷ついてるのを知ってたから、私も傷ついた。多分、優しい人ってそれ以上に残酷なんだと思う…」 田中さんは受話器を持ったまま、座り込んで泣いた。その涙は私のための涙なのか、彼女自身のための涙なのかは私は考えない事にした |