「山の中でひとり!」  第5話
その5  シェルターを作り終わる頃には日が暮れ始めていた。底に敷いた枯れ木は良い感じに乾燥していて、ウマく地面の固さや湿気を逃がしてくれそうでちょっとご機嫌。

 隣のおじいさんに勧められて行ったガールスカウトでいろんな国の人がいた事とか、お母さんが私を真夏の駐車場でロックした車に入れ忘れていったこととか、いつの間にかいなくなったお父さんの事とか…。
 夜までに作業が終わったから気がゆるんだのかな。思い出して少し泣いた。
 着の身着のままお母さんと山に来て、山道を外れて二日。朝食の後にお母さんに捨てられて初めての夕日。
 お母さんはもう家に帰ったかな? 

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