「山の中でひとり!」  第7話
その7  日が暗いうちに起き出して、水の確保に勤しんだ。
 食糧の確保は山中では差し迫った問題じゃないけど、水の確保は重大な問題だった。吐く息として、汗として、お花として体内の水は消費されていく。必要最低量を取らないと、おウチに帰れなくなる。
 昨日の探索では近場に沢や湧き水はなかった。
 デイパックに入っていた綿布は怪我の治療に使うために清潔なまま残しておきたかった。だから私はパンツを脱いだ。まだ綺麗なはずだ。絶対綺麗だ。うん、綺麗だ。
 日が昇りきらない朝のウチなら、草木には大粒の朝露が乗っている。それをパンツでぬぐい取って、チューチューと吸い取った。
 にがしょっぱい。
 でも、2時間くらいで3リットルは飲めた。

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