恥ずかしくなって沢から逃げるようにシェルターに帰った。
摩擦式の火興しは、時間と根気を要する。何時間もかかる。
何も考えずにデイパックの紐で作った弓を引いていると、気が付いたら自分会議を開催されていた。議題は「さっきの私」。
沢を見つけて安心したのも分かるし、誰もいないから開放感があったんだと思う。他の人の迷惑にもならいないかもしれない。でもあれじゃ変態行為だし、はしたない。
私が私を責める。私は言い訳をする。でも、それを沢山の私が非難する。
私に味方はいなかった。みんなが私を変態と言って、いろいろな例を使って説明しながら責めた。ある私は詩的に、ある私は脳内見取り図を使って分かりやすく責めた。
私は私が間違っていることを認め、もう二度としないことを誓った。
自分会議が終わってから、手が全く動いていないことに気づいた。
火興しなんてキライだ…
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