ガールスカウトの時に引率の先生がよく、技術は何回も練習して初めて身につくって言っていた。
私は火興しが苦手だったから、何日か居残りで練習をさせられた。
それでも上手くできなかったから、先生は私のカレー粉を取り上げた。
先生が指定した時間以内に出来るように必死で練習した。本当に必死だった。カレー粉さえあれば、大抵の物は食べられたから…
だからあの時、空腹の中で先生やおじいちゃんを本気で恨んだし、殺してやりたいと思った。
初めて時間以内に火をおこせた時、私は火をおこせるようになったことよりもカレー粉を返してもらえる事の方が嬉しかった。
激しさは強さに、強さは緩やかさに姿を変え、松の枝を燃やし始めた。
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