「山の中でひとり」 第27話
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村正で切れ目を入れて手で皮を引きはがす。 肉をブロックごとに石で切り分けて、血の塩分は魅力的だったけど保存性を考えて水で丁寧に洗い流して取りあえずツタでつるして干す。 野生の鹿にはあまり脂がないとはいえ、丁寧に取ればそれなりの量がとれた。 色々そっちのけで火をおこす。思いの外素早く火をおこすことが出来た。 私は残しておいたアルミ缶の底部分に脂と水を入れて、外火で暖めて混ぜ合わせる。混ざり合ったらパンツで水切りして固めた。 一度パンツを水で洗って、下痢止めに残しておいた消し炭を入れて、アルミ缶の中に付けて灰汁を作る。 灰汁と脂を入れてゆっくりと暖めてかき混ぜると、糊状になる。それを冷やすと…石鹸が……、出来た!
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