「山の中でひとり」  第36話
cd3120eea4-1221321592.png  夕暮れ前に開けた場所に出た。
 日が近くなるにつれ地平線の近くからポツポツと在所の灯りが見え始める。
 それはまるで夜空の星のように、気が遠くなるほど遠くて、数も少ない。
 でも、そこには人がいる。
 だから、それは強烈な寂しさと、ホッとするような安心を私に与えた。

   デイパックから出した鹿の肉を食べる。
 沢山は食べない。夜は少し空腹の方が調子が良い。
 そして、眠たくなるまで街の灯りを見つめていた。

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