「山の中でひとり」 第67話
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家に帰って、タオルケットをお腹に掛けて眠った。 前から寝入りは良い方だ。でも、すぐに起きた。 起きてすぐに怖くなってきて、暫くタオルケットにくるまっていたけど耐えられなくなって、トイレで吐いた。 もうこんな事はないと思ってたし、慣れたつもりだった。 胃液とツバが混ざり合って泡立ってる。出せる物はもうない。なのに絞り出すように吐いた。苦しくて涙と鼻水が止まらない。 息を整えながら、お母さんの事を思い出した。 お母さんは自分がしている運動を成功させるために自分を騙すことがあるし、私にも嘘を付くかもしれない。だから、そんな時は手紙を書いて戸棚にしまってるらしい。 だけど家に入れてもらえなかったから、私はその手紙を読んだことはない。 家に帰ったら、その手紙はまだあるだろうか? 便座が冷たくて気持ちよくて、泣きながら寝てしまった。 起こしてくれたときのおばちゃんの心配している顔がつらかった。 私って子はみんなに心配ばかりさせて…
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