「山の中でひとり」  第104話
05b17a6559-1230700522.png  隠れ家にいた頃よりはマシだ。
 カムやオシッコまみれの私を洗うために、時々、隠れ家の近くの川に連れて行かれた。
 ひとしきり私が身体を洗い終えると、おじさんはお尻にワセリンをぬってからファックした。
 内臓から押し出されるカエルのような声。私は繋がったまま川に沈められた。そして息が続かなくなると引き上げられて、またすぐに川に沈められた。
 必死におじさんにしがみつこうとしたけど、彼の腕は力強くて逆らえなかった。
 何度も何度も沈められた。
 段々と何も考えられなくなってきて、おじさんのくぐもった笑い声だけが頭の中に響いていた。
 あの頃よりかはマシだ。
 あの頃の私は抵抗することも、考えることも、逃げることも出来なかった。
 あの頃の私はただ、なされるがまま。ただ無力だった。

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