「山の中でひとり」 第107話
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頭を横に向かせると同時に、手首をひねって背中に腕を持って行く。サトスは私に逆らえきれず両膝を地面に付く。 半歩踏み出して背中にまわる。同時に親指を支点に手の甲をきわめて腕をねじり上げて、また髪を鷲づかみにする。 腕をひねり上げながら転ばないように顔を上げさせて、膝歩きで川岸まであるかせる。 「スカボローの市に行くの?あそこはいい所よ?」 「てめぇ、まさか!」 「あの時は苦しかったでしょ?息が出来ないって苦しいよね。」 「はなせ、ぼけ!」 サトスがわめく。無視して背中に膝を当てて身体を反らせる。 「目の前の川の意味、分かるよね?」 サトスが逃れようとして暴れるけど、私は許さない。 「もう一度聞くわ。いい加減にしないと殺すっていったわよね。」 「冗談だろ…」 サトスのおびえた声。 「スカボローの市に行くの?」 私は膝に体重を乗せ、サトシ君を倒した。 地面に付くと同時に首の付け根に膝を乗せ体重をかける。同時に捻った腕を放して、左膝で改めて左腕を固めた。 サトスは自由になる右腕で必死に立ち上がろうとしたけど、自分の体重と私の体重を腕一本で持ち上げることは出来なかった。 腰を浮かそうとしても極められた左腕が邪魔をして出来なかった。 息が続かなくなったところで、髪の毛を引っ張り上げて息をさせる。 「やめっ!やめろ!」 手を離す。また水の中に落ちる。 身体を固められてしまい、サトスは私が引っ張り上げてやらないと息も出来なくなった。 またサトスは私の手の中に落ちた。
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