「山の中でひとり」 第109話
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私は冷静だった。 何度もされたから、コツは分かっている。 定期的にちゃんと息をさせてあげる。息が整う前にまた沈める。 沢山飲んでお腹に水が溜まったら横にして上腹部を押さえて吐き出させる。 何の抵抗も出来ずにげろまみれになるサトスに昔の私を見る。 よく分からない高揚感。 冷静に状況を判断し行動しているはずだった。それなのに止めどもなく内側からあふれ出してくる。 私は髭のおじさん。サトシ君は私。 「あははははははは」 ハッと気がづくと私は笑っていた。
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