「山の中でひとり」  第125話
d4b9c3c59e-1233049312.png 「スパイディ。あの子達を助けよう」
 エディカルが突然、無茶を言い出した。
 楽園には確認できただけでも60人以上いたし、トラックの周りには6人もいた。おまけに観察するだけの手はずだったから、位置が悪すぎる。
「同意できない。言われたことを、言われたようにやるべきだ」
 私は無線で後方にいる先生に連絡する
「同意できない。言われたことを、言われたようにやれ」
 先生の回答も同じだった。
「それに同意できない。このままじゃあの子達は…」
「残念だとは思う」
「だったら…」
「同意できない。見捨てるべきだ」
 私は彼を否定する。
「納得できない」
 エディカルは囁きながら先生に言った。
 重い沈黙。もうすぐ女の子達が作業を終える。
「スパイディ。エディカルが用心金に指に入れたらエディカルを撃て」
 わかったといって、エディカルの首筋に銃を当てた。
「スパイディ。頼む」
「同意できない」
 女の子達は作業を終えた。男達が、トラックの荷台に彼女を乗せ始めた。
「スパイディ…。俺は…」
 うめき声。
 エディカルは用心金に指を入れた。

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