「山の中でひとり」 第126話
結局、エディカルは誰も助けられなかった。
木は果実を結び、実は種を落とすことはなく、ただ腐敗して落ちるのを待つのみだった。
その光景は楽園の秩序を乱すのには十分な光景だった。
ただ腐敗していく果実を哀れんだ誰かが、果実をつみ取ろうとした。
それを誰かがとがめた。
啀み合いが生まれ、血が流れた。
指導者は終末論をとなえ、そして、教会は燃え落ちた。
あっという間だった。
私の手の中には空薬莢が二つ。それは羽のように軽かった。
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