その重みに耐えきれず目が覚めた。
お母さんはよく抵抗しなければ、誰も傷つかないと言った。
無防備で無抵抗な人間に、一体誰が拳を振り上げるのかと言っていた。
そしてお母さんはこうも言った。
沢山持っている人が、持ってる物をみんなで分ければみんなが平等になる。みんなが平等になれば、諍いの理由はなくなる。
だから戦争がない平和な世界を作るには、世界が武器を捨て、無防備になって搾取してきた物を分け与えるべきだ。
彼らが無防備にならないから、私たちが行動を起こさなければならなくなる。
この国は私たちに対して抵抗を止めて、全てを明け渡すべきだ。
そうすれば私たちが集中する知識と繁栄と幸福を平等に分け与える。
この国の富を貧しい国に分け与えるべきだ
そうすれば私たち労働者が搾取される事のない平和な世界になる。
楽園ではみんなが平等の筈だったけど、指導者がいた。
あの子達は無防備で無抵抗だったけど、すべてを奪われた。
お父さんがまだ家にいた頃からお母さんのことがわからなかった。
少なくともお母さんは搾取され続けた労働者じゃなかった。
お母さんは公立学校の先生だった。
だからお母さんの話だと、お母さんは搾取する側のはずだ。
何のために、お母さんは行動を起こしたのだろうか。
多分…、お母さんも忘れてしまったのではないだろうか。
もうすぐ到着だ。
おばさんを起こさなきゃ…。
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