「山の中でひとり」  第132話
77e7d81b33-1234062749.png  それからしばらく部屋に入って寝た。
 子供の頃、ゴミ捨て場から拾ってきたスノコを下に敷いて、家の軒にかかっている部分の屋根に穴を開けた。
 熱が上に逃げるし、もともとそれほど暑くならない土地だからこれだけでも結構快適に過ごせた。

 私はお母さんを待った。
 日が沈み、夜になり、月が頭の上に来た頃玄関が開く音がした。
 外に出て、慎重に聞き耳を立てる。
 足音は一人分。家の電灯をつけているから、泥棒じゃない。
 帰ってきた。
 さぁ、始めよう。

<< Back || Next >>


|| 山の中でひとり  Top | 描いていただきました | CG | Profile | BBS ||