「山の中でひとり」  第134話
b46b50bd10-1234258241.png  認める。
 私は冷静さを欠いていた。先生がいたならきっと怒られる。
 お母さんの姿を確認することなく、事を起こそうとして失敗した。
 おまけに目の前の風景に説明が付かずに、身体が硬直して動けない。
 とにかく出来る限り素早く逃げ出すべきだと思うけど、足腰に力が入らない。
 意志の力で、無理矢理身体を動かそうとして腰を抜かした。

 一体これは何?
 私のせいで、家族がバラバラになったのは何となくわかった。
 それでもとにかくみんな一緒に入れるように、家に帰るために私は何でもした。
 みんな一緒にいられるように、私は私の出来ることを何でもやった。
 嫌なことも我慢した。沢山非道いことをされたし、沢山非道いことをした。自分が助かるために沢山見殺しにしたし、エディカルまで殺した。
 それなのにお父さんは私たちを捨て、お母さんには許してもらえずに優しくしてもらえなかった。
 私の願いはそんなにワガママなことだったのか。何一つかなわない。
 だから、私なりの答えを出そうとした。
 なのに、一体これは何!?

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