「山の中でひとり」  第137話
fff4eeb31f-1234708622.png お爺さんがちーんってしてから、供えてあった封筒を渡してくれた。

私は私と私の家族からなる喜劇の終幕を告げるために、死のうと思う。
私は家族を愛していたけれど、私の家族はそうでもなかったようです。
夫は私をとがめ、娘は私を理解しようとしない。
夫は私より先に天国に行って待っているだろうし、
娘もすぐに私に追いつくでしょう。

夫の方針で娘を外国に預けてから、私は行動を開始した。
この国の罪を人々に認めさせるのだ。
そして世界を良い方向に変えよう。変えてみせる。
変えることが出来る。そう信じていた。

私は私の信念を持って、学校の卒業式の日に国家を捨て、国旗を破りすてた。
それはこの国の残虐性と強制に抗議するためだったし、
この国に搾取され捨てられていく私の教え子に送る言葉でした。
それにもかかわらず、私は教職を追われました。

私は混乱した。
国旗はその国そのものの筈だ。意味が分からない。
国を否定した役人に、役人としての居場所何かあるわけが無い
それよりも、お父さんが先に行って待っているってどういう事だろうか…

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