「山の中でひとり」 第143話
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お父さんは聞いたことのない離島の出身だったから、おじいちゃんは随分連絡に手間取ったらしい。足の悪いおばあちゃんは島から出られないそうだ。 お母さんの親族にも事情を説明して連絡を取ったけど、結局お葬式に来ることはなかった。どうやら信じてもらえなかったらしい。 お金がないから最小限のことしかできなかったけど、近所のお坊さんがちゃんとお経を上げてくれた。村の人も来てくれた。 火葬場で最後のお別れをしたら、警察に行って事情を説明しよう。 出来る限り嘘はつかずに、辻褄がちゃんとあうように。 それが終わったらおじいちゃんと、おばあちゃんの家に遺骨を届けて、それからタカヨシ君のお家に挨拶に行こう。 それからお家に帰ればちょうど二人で4万円くらいの移動費になるそうだ。 お父さんに甘えさせて貰うことにした。 新しい生活を始めるんだ。きっと楽しくなる。そう信じている。
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